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Waledac スパムは 2012 年ロシア大統領選に対する誹謗攻撃か 

Feb 13, 2012 06:07 AM

最近、あるボットネットの亜種(Kelihos)が再出現したという報告が何件かありました。シマンテックでは、これを W32.Waledac.C として検出しています。Waledac は、シマンテックが長年にわたって監視を続けている脅威のグループで、これまでにも多くのブログホワイトペーパーで取り上げられています。従来の Waledac は、侵入先のシステムを利用してスパムを送信するスパムボットネットとして悪名をはせてきました。このスパム攻撃の狙いは通常、リンクを含むスパムによって自身を拡散させることにあり、そのリンク先は多くの場合(例外もあります)悪質な Web サイトにホストされている Waledac のバイナリファイルです。今回の亜種 W32.Waledac.C もスパムメールを送信しますが、ちょっとした工夫が加えられています。

あるスパム攻撃では、ロシア国内のメールアドレスだけを標的として以下のようなメールが送信されていました。

メールの翻訳(概要訳)

「Rospres は今年、開設 5 周年を迎えます。

私たちは一貫して、入手できるかぎりの最新情報を完全な形でお伝えしようと努めてきました。今後も愛読者のみなさまのために尽力するつもりです。これからも当社 Web ポータルへのアクセスをお忘れなく。http://www.rospres.com/ へのアクセスを心より歓迎します。

みなさまのご多幸をお祈りします、Rospres より」

スパムメールに書かれている Rospres.com のリンク先は、Rospres.com のサイトに掲載されている、以下の図のような中傷記事です。このスパムメールに書かれたリンクが脅威の拡散に使われているという証拠は見つかっていません。Rospres.com のサイトには、政治家や財界人などロシア国内の著名人について中傷的と思える記事が多数掲載されています。

この記事で取り上げられているのは、オリガルヒ(ロシア新興財閥)のひとりに数えられる資本家であり、今年 3 月のロシア大統領選の無所属候補でもあるミハイル・プロホロフ氏です。今回の Waledac スパムによる攻撃が、Rospres.com サイトの宣伝を目的としているのか、それとも大統領選候補の個人的な中傷を狙っているのかは明確になっていませんが、W32.Waledac.C の亜種を操っているマルウェア集団の正確な動機を曖昧にする機能は果たしているようです。

 

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