仮想マシンスナップショット取得時の Stun (瞬停) は vSphere 7.0 においても発生します。
ストレージのアーキテクチャ(3Tier や vSAN) の違いがある場合においても、
スナップショット作成時の静止点を取るために一瞬 IO を止める動作と、
スナップショット削除時の Mirror Driver を差し込む際の瞬断、その後の差分統合後に IO を切り替える際の瞬断が発生します。
Cormac Hogan 氏のブログにこの辺りの挙動の概要が説明されております。
https://cormachogan.com/2016/01/06/snapshot-consolidation-changes-in-vsphere-6-0/
> ・ESXI6.0以後は起こりにくくはなっていると聞いたことがありますが、最新のESXiバージョンでも発生することはあるのでしょうか?
上記のように残念ながら Stun そのものは発生します。
6.0 以降の VMFS でのスナップショットアーキテクチャの変更や vSAN スナップショットなど統合時の処理の最適化などで従来バージョンと比べると大幅に改善 (特に統合に要する全体時間など)していると思いますが、
現在の VM スナップショットでは静止点を取得する際には Stun による一瞬の IO 停止は変わらず必要な処理となっています。
> ・VMスタンを発生させないベストプラクティスのようなものはありますでしょうか?
VM スナップショットに依存しないレイヤ (vSphere Replication の vSCSI レイヤでの IO 取得や、VAIO : vSphere APIs for IO Filtering を利用する RP4VM など) でのデータ取得が代替案としてありますが、
VM スナップショットで連携するアプリ静止点 (VSSなど) の考慮が必要な場合や、VADP を利用したバックアップではスナップショットが必須となってしまいます。
> ・発生のしやすさ、しにくさなどはバックアップソフトによっても依存するものでしょうか?
Stun は VM に割り当てた仮想ディスクが多いほど、スナップショット取得・削除時の Stun 所要時間、Stun 回数 (ディスク毎に走るため)が大きくなる傾向がありますので、シンプルな構成の VM にする事で最小限に抑えられます。
また、幾つか KB を貼付しますが、静止点を取る際に非常に高い負荷の IO が掛かっている場合や、ESXi ホストの CPU 処理・IO 処理がひっ迫していると Stun 時間も大きくなってしまいます。
スナップショットの削除で仮想マシンが長時間停止する (1002836)
https://kb.vmware.com/s/article/1002836
vSphere 環境でスナップショットを使用するベスト プラクティス (1025279)
https://kb.vmware.com/s/article/1025279
ESXi / ESX における仮想マシン スナップショットについて (1015180)
https://kb.vmware.com/s/article/1015180
その為、夜間のバックアップ処理などでの Stun 時間の短縮のためには、
高い IO 負荷が同時に走らない様にバックアップジョブをずらしてスケジュールする事や、VADP プロキシでの並列度などで調整して運用で最小化する事が出来ると考えられます。
また、日中帯で高い IO が掛かっている時間帯では極力スナップショットの処理が走らないように設計する事も必要です。
ご参考まで、、、