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養子縁組みを餌にした 419 詐欺 

04-21-2014 03:38 AM

養子を熱望している夫婦を狙って 419 詐欺のバリエーションを利用する、新手の詐欺が発生しています。その巧妙な手口に騙されて偽の養子縁組み話に乗ってしまうと、被害者は弁護士費用や行政手続き費用を支払うよう求められます。

最近の 419 詐欺のほとんどは、スパマー自身の独創性ではなく被害者の無防備さに頼っていますが、一部の詐欺師は被害者と直接の対話を進めることで信用を勝ち取ろうと考え始めたようです。十分に調査された手口で説得力もあり、ときには話に信憑性を持たせ、詳しく調べられてもボロが出ないように、実話を拝借する場合さえあります。

偽の養子縁組みを利用する詐欺は、古くからあったようですが、今回シマンテックが確認した事例では、実話のような詳しい情報が使われ、詐欺師は長期にわたって徹底的に被害者との対話を続けようとします。

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図 1. 養子縁組み話を悪用する詐欺メール

海外の宝くじに当選した、あるいは裕福なアフリカの指導者が死去したなどという筋書きで前渡し金詐欺を仕掛ける典型的な手口の代わりに、今回の詐欺師は、変わったアプローチを取っています。それでも、詐欺を疑わせる兆候は多く見受けられ、たとえばメッセージは匿名の受信者に宛てて送信されています(ハッキングされた Web メールアカウントが利用されており、発信元はハンガリーですがイタリアを経由しています)。また、別の Web メールプロバイダに返信するよう求めてきます。いずれも、前渡し金詐欺によく見られる特徴ですが、詐欺師がどのような方法で金銭を要求してくるのか実際に調べてみることにしました。

この養子縁組み話に少しでも信憑性を持たせようとして、詐欺師は最終的に送金という段になるまでに、いくつもの手続きを用意しています。メールをやり取りするうちに(11 通の返信が必要で、期間は実に 2 カ月にわたりました)、子供の母親についても詳しく語られる一方、公的な斡旋を利用しない私的な養子縁組みに伴う規則についても説明がありました。さらには、偽の養子縁組み書類と新生児の写真まで送ってくるほど用意周到です。

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図 2. 419 詐欺で養子縁組みの対象とされた乳児

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図 3. 被害者の信頼を得るために用意された偽の養子縁組み書類

最終的に金銭を要求できると詐欺師が判断した段階まで進むと、ユーザーは「裁判所命令の作成ならびに文書費用」に充当するとして 2,500 ドルを要求されます。支払いは、金融機関の電信送金を利用して、1,500 ドルと 1,000 ドルの 2 回に分けて行うよう指示されます。このような支払い方を要求してくるのも、正規の取引であるかのように演出し、被害者がこの詐欺を本物と信じ込むようにするためだと考えられます。

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図 4. 詐欺師が養子縁組みの費用を請求してくる

詐欺師が電子送金を受け取るための名前と住所を公開している場合は、その情報も偽物だと考えるところですが、今回示された住所を調べると、驚くべき事実が判明しました。

記載されている受取人の住所は、養子ならびに家族法を扱う弁護士事務所の住所だったのです(もちろん、この弁護士は詐欺とはまったくの無関係です)。ほとんどの詐欺師は、昔からの偽の名前を使って前渡し金詐欺を実行するものですが、実在の人物の身元を乗っ取って使うほうが、詐欺の説得力は増します。標的が無警戒であれば、受取人の名前を探し出して、その人物が本当に米国内で事務所を構えている正規の弁護士だと信じてしまうかもしれません。こういった要素が重なって、最終的にお金を支払うと、新たな被害者の 1 人となってしまいます。

このように養子縁組み詐欺を使うのは、419 詐欺の手口として新たな傾向ですが、詐欺師の一部はちょうど一周して以前の特徴に戻っただけなのかもしれません。筆者は 2 年前のエコノミスト誌によるインタビューで、前渡し金詐欺の詐欺師から送られてくるメッセージが、いかにも正規で本物らしく見える文面から、現実味に乏しいほどの大金で誘う、およそプロらしくない内容に移り変わった経緯を明らかにしました。自ら引っ掛かってしまうような被害者を狙っているため、どの詐欺メッセージも巧妙とはほど遠いものです。

今回の例は、前渡し金詐欺のすべてが、騙されやすい被害者だけを想定して手を抜いたものとは限らないことを思い出させてくれます。なかには、今回の養子縁組みのような作り話に何カ月も掛けて、説得力のある背景情報やそれらしい書類まで用意する創造的な詐欺師もいるということです。詐欺師の想像力と創造性が、これからも進化を続けることは間違いないでしょう。

 

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